ローヤルゼリーとはちみつの違い
原料も成分も全く異なるローヤルゼリーとはちみつ
ローヤルゼリーと聞くと「栄養価の高いはちみつ」と思う方が多くいます。どちらもミツバチが作る食品ですが、この二つは原料も成分も似て非なる別物です。
ローヤルゼリーとはちみつは、主に以下の点が異なります。
ローヤルゼリー | はちみつ | |
原料 | 花粉 | 花の蜜 |
成分 | たんぱく質 ビタミン ミネラル 糖質 脂質など |
ほとんどが糖質 |
色 | 乳白色 | 薄い赤黄色~褐色 |
味 | 酸味が強い | 甘い |
用途 | 女王蜂の栄養源 | 働き蜂とオス蜂のエネルギー源 |
ローヤルゼリーとハチミツの違い
原料
ローヤルゼリーは植物の花粉が主原料です。一方のはちみつは花の蜜が主原料です。どちらも働き蜂が集める点は共通しています。
違いは、はちみつは持ち帰った蜜を巣に蓄えて熟成させたものであるのに対して、ローヤルゼリーは持ち帰った花粉を働き蜂が食べて消化・分解します。
そして頭部にある下咽頭腺と大あご腺から分泌して、女王蜂に食べさせます。つまりローヤルゼリーは原料の花粉を働き蜂が体内で加工することで作られるのです。
成分
ローヤルゼリーは水分を約65%、たんぱく質を約10~15%、糖質を約10%、脂質を約2%含んでいます。(参考元1)
三大栄養素であるたんぱく質、炭水化物、脂質をはじめ、40種類以上の栄養素をバランス良く含んだ栄養価の高い食品です。
たんぱく質の中心は9種類の必須アミノ酸(※1)と15種類の非必須アミノ酸(※2)です。またローヤルゼリー特有の成分であるデセン酸(※3)が含まれているのも特徴です。
一方のはちみつの成分は、果糖やブドウ糖といった糖質と水分がほとんどを占めています。
(※1)体に必要な成分であるが、体内で合成できず食事から摂る必要があるアミノ酸。
(※2)必須アミノ酸とは異なり体内で生合成できるアミノ酸。必ずしも食事から摂る必要はないが、不足しがちな場合は補うと良い成分。
(※3)正式名称は10-ハイドロキシ-δ-2-デセン酸。
色
ローヤルゼリーとはちみつは全く違う色をしています。ローヤルゼリーはクリームのような淡い乳白色をしています。
一方のはちみつは花の蜜の色がそのまま残るため、薄い赤黄色~褐色をしています。花の種類によってさまざまな色のはちみつがあります。
味
ローヤルゼリーとはちみつは味も違います。ローヤルゼリーは酸味の強い味わいが特徴で、ピリリとした刺激が舌に伝わります。
一方のはちみつは成分のほとんどが糖質で占められているため、甘味が強いのが特徴です。ローヤルゼリーのような酸味はなく、まろやかでコクがあります。
用途
用途が全く異なるローヤルゼリーとはちみつ
ローヤルゼリーとはちみつでは用途が異なります。ローヤルゼリーは女王蜂だけが食べることができる特別食です。一方のはちみつは働き蜂とオス蜂の主食であり、生きていくためのエネルギー源です。
女王蜂は毎日1500~2000個もの卵を産むとされています。栄養満点なローヤルゼリーが女王蜂の活動を支えているのです。
ローヤルゼリーが女王蜂を育てる
ミツバチの幼虫は、生まれたときには働き蜂や女王蜂の違いはありません。働き蜂たちはメスの幼虫から1匹のみを選び出し女王蜂として育てます。この選ばれた1匹に与えられる特別な食事こそがローヤルゼリーです。
女王蜂はローヤルゼリーだけを食べて育ち、働き蜂よりも2~3倍も体が大きく、寿命も30~40倍も長くなります。
さらに詳しくはこちらの記事で紹介しています>>ローヤルゼリーとは
利用方法
栄養価の優れたローヤルゼリーは昔から滋養強壮に良い健康食品として珍重されてきました。さらに近年では高血圧や高脂血症の予防、血糖値の抑制、更年期障害の緩和などさまざまな効果効能が発見されています。
一方のはちみつは砂糖が普及していない時代から甘味料として使われてきました。糖質を多く含んでいるため、摂り過ぎは高血糖や肥満の原因になります。
ローヤルゼリーには目立った副作用がなく、摂り過ぎても特に問題はありません。健康食品として安心して摂ることができます。
参考元1:効くローヤルゼリーにはワケがある! ローヤルゼリー特別取材班編著 史輝出版