ローヤルゼリーは妊娠中や授乳中に摂っても大丈夫か

妊娠中や授乳中の方はローヤルゼリーの摂取を控える

体に必要な40種類以上の栄養素を含むローヤルゼリーは、健康維持や滋養強壮に良いことが知られています。ですがどんな方にもお勧めできる食品ではありません。
栄養補給に良いと思いがちですが、妊娠中や授乳中の方は摂取を控えましょう。絶対にダメではありませんが、信頼できる十分な研究データがないため安全性について判断できないのが現状です。
ローヤルゼリーには女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをするデセン酸(※1)が豊富に含まれています。ローヤルゼリーを摂ることでホルモンバランスが変わる可能性があります。
妊娠中や授乳中の体にどのような影響が現われるのか、研究が行われていないため何とも言えません。どうしてもローヤルゼリーを摂りたい方は、自分で判断せずにかかりつけの医師に相談してください。

(※1)10-ヒドロキシデセン酸が正式名称。

ローヤルゼリーの摂取を控えたほうが良い理由

妊娠中や授乳中に摂った場合の安全性が確認されていない

妊娠中や授乳中の方がローヤルゼリーを摂ると体にどのような影響が現われるのか、信頼できる十分な研究データがなく、安全性について判断できないのが現状です。
妊娠中や授乳中の体に悪影響がないことが証明されていないため、摂取を控えるのが無難ということになります。
食品に含まれる成分がどのように作用し、どのような副作用がどれくらいの確率で発生するかは、臨床試験を行って調べる必要があります。
ところがローヤルゼリーを妊婦中や授乳中の方に摂らせた臨床試験が行われていないため、安全とも危険とも判断できないのです。

ホルモンバランスが変わる可能性がある

ローヤルゼリーにはデセン酸という特有の成分が豊富に含まれています。デセン酸はローヤルゼリーにしか含まれない成分です。
最近の研究でこのデセン酸には女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをすることが分かっています。エストロゲンの不足が引き起こす更年期のさまざまな症状に対しては有効性が示されています。
しかし、デセン酸の働きが妊娠中や授乳中の体にどのような影響を与えるのかは、研究データがないため分かりません。
またローヤルゼリーを摂ることで、体内の男性ホルモン「テストステロン」が増加することが確認されています。
つまりローヤルゼリーによってホルモンバランスが変わる可能性があります。妊娠中や授乳中の方は、ホルモンバランスが変わることで胎児の発育や母乳の出方に影響が出る可能性が否定できません。

サプリメントは体を刺激する恐れがある

ローヤルゼリーは天然由来の食品であり、強い刺激はありません。一方で多くのサプリメントには、乾燥やフリーズドライ処理を行って成分を濃縮したローヤルゼリーが使われています。
高濃度のローヤルゼリーは栄養価の高さが魅力ですが、体を刺激する恐れがあります。妊娠中や授乳中の体はデリケートで些細なことで体調を崩すことがあります。体を刺激する食品の摂取は控えたほうが良いでしょう。

関連記事:乾燥ローヤルゼリーの特徴

それでもローヤルゼリーを摂りたい方は

摂取が禁止されているわけではない

ローヤルゼリーは妊娠中や授乳中の摂取が禁止されているわけではありません。医薬品ではなくあくまで健康食品だからです。自己責任で摂取を判断する必要があります。
実際にインターネットなどでは「妊娠中にローヤルゼリーを摂っていたけど、無事に赤ちゃんが産まれた」といった経験談をたまに見かけます。
ローヤルゼリーは安全性の高さが認められています。食品アレルギーや喘息をお持ちでなければ、副作用のリスクは少ないとされています。

関連記事:ローヤルゼリーが引き起こすアレルギー

かかりつけの医師に相談する

とはいえ妊娠中や授乳中の摂取は慎重に判断する必要があります。安全性が確認されていない食品を摂る行為は、胎児や子どもを危険に晒すことになりかねません。
自分の判断でローヤルゼリーを摂取するのは控えましょう。ローヤルゼリーを妊娠前から習慣的に摂っていた方は、かかりつけの医師に相談のうえで継続して摂取するか判断してください。
初めてローヤルゼリーを摂る方はより慎重に判断する必要があります。ローヤルゼリーが体質に合わないと、重い副作用が引き起こされる恐れがあるからです。
過去にローヤルゼリーを摂取した経験がないにも関わらず、アレルギーが引き起こされた事例が報告されています。
アナフィラキシー症状が起こると、胎児に「低酸素血症」や「循環不全」などの重篤な症状が発生する恐れがあります。